映画レビュー 「セル」
●ウィルス感染でないゾンビもの
スティーブン・キング原作の映画化。ジョン・キューザック主演、脇役はサミュエル・L・ジャクソン。一般的なウィルス感染でなく、なんと携帯電話を使用していた人がゾン化するという異色のゾンビもの。薬に例えるならジェネリック薬品、もしくは医薬部外品。
●結局、、、原因不明
こういう映画で原因を求めるのは間違いだと解っているけれど、ウィルス感染というセオリーを使わないとなると、じゃあ一体どうやんの? と考えるのが人の性。
で、物語が進んで行くと、、、、はい、やっぱり原因不明。(観客に委ねる系?)
ま、多分そうだと予想してたけど、しょーがないよね。
●宇宙人か、悪魔か、怪物か、はたまた主人公の妄想か──
だいたいキングのホラーって、上に示したとおりの原因であることが多い。
現状ウィルス感染は、そういった解り易い原因(大ボス)を退ける有効な手段であり、恐怖を担保するのに一役買っている。
「原因者を倒せば解決する」という物語は、
ホラーじゃなくてバトルもの、あるいはアクションものに傾斜しちゃうので。
※ちなみの「セル」の解釈ですが、あの赤いフードの人は、悪魔とかじゃなくて、主人公の妄想だと思う。作中にたびたび登場する電波塔、実はあそこからは常に電波が発信されており、主人公たちは少しづつ頭がおかしくなっている。夢の中で赤フードの人が皆に共有されているが、そのこと自体が妄想──、つまり「皆で赤フードの男の話をしたと思っているのは主人公1人だけ」ってこと。だから、もしかしたらサミュエル・L・ジャクソンはまったく違う話をしていたかもしれない。さて、こんな解釈はどーでしょう?
●というか、むしろ「It」が観たいです
同じスティーブン・キング原作なら、日本でも吹き替え版のドラマがやっていた「It」が観たいですね。愉快なピエロ、ペニーワイズ先輩には存分にスクリーンで暴れて頂きたい!